本レビュー PR

勢いで買った『わたしのマトカ』を読み切る【レビュー/書評】

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

2021年、

旅を我慢してきました。

コロナ的な意味で。

 

2022年、

遠慮なく旅に行けると思っていました。

 

まだ新年開始5日目ですけど

 

世界では大流行まっさかり

 

こりゃ新年も我慢か

 

と思うと

 

ものすっごいやるせないのです!

 

 

ということで外国本を買い漁ってきました。

 

その一つが、

わたしのマトカ/片桐はいり

です。

 

前置きが長くなりましたが、

この本は映画「かもめ食堂」のロケで

北欧フィンランドに滞在したときのことを

片桐さんの言葉で綴っているエッセイです。

 

表現が、描写が、独特すぎて面白いを通り越してウケる。

いやほんとに天才か。

と思うくらいです。

 

特に本当に食べ物が大好きなんだと思わせてくれるくらい、

食にまつわる話が面白い。

あとマッサージの話。

(片桐さんはゴリッゴリの強いのが好み)

 

「かもめ食堂」に通じるところもあるので

映画を観たあとに読むのもヨシ

読んだあとに観るのもヨシ、です。

著者さま紹介:片桐はいりさん

背の高いショートカットがはいりさん

 

正直に言うと

映画「かもめ食堂」

を観てからお顔とお名前が一致しました。

 

「かもめ食堂」では、

日本で色々あったのか、

世界地図で指差したところに行こうと

ほぼヤケになってフィンランドに来たというミドリを演じています。

 

絵は器用だけど

人間関係がぶきっちょなミドリが

かもめ食堂の常連、

日本マニア美青年の豚身昼斗念(トンミ・ヒルトネン)

と段々仲良くなっていくのが見どころです。ぐふふ。

(そんなストーリーではない)

(だんだん打ち解けていく演技が素晴らしい)

 

なぜ豚身昼斗念なのかは映画をご覧ください。

(お茶を飲みながらだと吹き出すので注意です)

映画「かもめ食堂」

フィンランドを知らない人へ

万が一に備え、

フィンランドを知らない人向けに説明を少し。

 

フィンランドは、

オーロラが見えるくらい

ヨーロッパの中でも北に位置します。

自然豊かで

社会福祉制度が整っており

国民の幸福度が高いことで有名なため、

日本(超絶勤勉強制ブラック社会)でよく話題に上がります。

 

そんな日本を危惧してか、

フィンランドの人々の暮らし方を

紹介する図書もあるくらいです。

あとは参考HPを↓

フィンランド公式トラベル・ガイド

下手したら千葉より夢の国なので

コロナ終わったら行きたいですね。マジで。

優雅な話は期待できない

はっきり言います。

このエッセイは、

北欧フィンランドで過ごす優雅な話…

では一切ないです。

 

優雅さは間違いなくないですね。

 

次の引用は、

片桐さんが撮影が終わってホテルでゆっくりしていると

ずんずんずんずん

音が聞こえるので何かと思って震源地に向かっていくところです。

 古い建物にふさわしい、趣のある回り階段がある。さあ、この上がダンスフロアだ。だが由緒正しげな建物にもかかわらず、目の前にある階段も、そこに至る廊下も、どこもかしこも床はアルコールでびしゃびしゃである。しかも、酒瓶とグラスの破片がまき散らかって足の踏み場もない。酔って転んだら大惨事だ。さらにそんな階段や床にじか座りで、酔っぱらいどもがとぐろを巻いておしゃべりに興じている。危険な岩場によじのぼるような身構えで、わたしは、わたしを揺り動かす音の震源地へと向かった。

反転まで言わなくても、

正直やっぱり感はあります。

 

なぜなら

フィンランド人は

ウォッカをよく飲みます。


*酒豪の方向けメモ*

「かもめ食堂」でも登場した酒はコチラです↓

フィンランドを代表するお酒ウォッカ・コスケンコルヴァ(Koskenkorva)

 

酔っぱらいどもは万国共通でウザいのかw

と知るワンシーンでした。笑

 

ますます

フィンランド好きになってしまうなぁ!w

この人天才かwwww

海外に少しでも滞在したことがある方なら、

共感できるのではないかと思うエピソード。

 

日本食が恋しくなる。

無性に蕎麦が食べたくなる。

 

蕎麦だけでなく、

日本の食材が恋しい片桐さん。

市場があるので

日本の食材を探し回っているときの

ワンシーンです。

わたしはティファニーのショーウィンドウをのぞきこむヘップバーンのような気分で、ガラス越しににらを眺めた。

 

天才かwww

 

と思いました。

 

宝石を眺めるようにうっとりとした目で

ニラを眺めるんですよ!!!?

 

ていうか

ショーウィンドウの向こう側

ニラはねーよ!!!www

 

と思わず激しくツッコみたくなります。

発想がマジ神。(ボキャ貧)

 

女優さんも台本を読み倒すから…

こういった表現にふれる機会

たくさんありますものね…

片桐はいり、恐ろしい子…!

(ガラスの仮面の亜弓風)

 

ちなみに蕎麦については

帰国後一週間もしないうちに

蕎麦を食べたそうですが

美味しいけど思っていたほどの感動がなかったと述べています。

そして共演した小林聡美さんからこんなメールが。

「帰るなり蕎麦屋に駆けこんだけれど、あんなに食べたかった蕎麦関係がありがたく感じません」

なんと主人公サチエ演じる小林さんからも同じ意見が。

 

蕎麦について

ミド…じゃなかった、

片桐さんはこうまとめています。

 蕎麦は幻のような食べ物である。まるで砂漠の逃げ水だ。あのつかみどころのない美味しさ。説明不可能な味わい。それは、蕎麦のそばで暮らしたことのない人にはけして理解できないものだろう。極めて地域限定の感受性である。もしかすると、海を越えた日本人は、蕎麦そのものの味わいより、そんな言葉にならない感覚を恋しく思うのかもしれない。スタンド・バイ・ミー。ただそばにいてほしい。

 

な味わい

(感動したので声を大にしたい)

 

たしかにな…

以上の言葉が出ませんでした。

 

言葉にできない表現を表現するってマジですごいと思うんです(鼻息)。

 

蕎麦のディスリだけにせず

きちんと蕎麦のフォローも忘れない。

 

この人スゲー…

と読んでいて勝手に感動していました。

とはいえ、期待どおりの良い話もある

ゆったりおおらかに過ごすフィンランドの人。

撮影現場もゆったりしていた感じだったそう。

 

片桐さんが日本に帰り、

さっそく次の撮影現場では怒号が飛び交う。

 

そこで片桐さんの記述が興味深かったり。

 日本のカメラマンは、なぜいつも怒っているのだろう。なぜみんな、苦虫を噛み潰したみたいな顔で働くんだろう。どうして照明さんは、タメ口で話す人が多いんだろう。助監督の靴下は、どうしていつも臭いんだろう。

こひつじたちを観察するように、狼の生態を観察したら、愉快なことをたくさん発見した。

こひつじたち(現場フィンランド人)を観察するように

狼たち(現場日本人)を観察する。

そうすると新たな発見がある、と。

 

決してどちらが良い悪いを名言はしてないです。

もちろん、現場で生きる方なのでとても私見なんて書けないというのもあるとは思います。

 

俯瞰して見て面白さを発見する、

というのは

厳しい世界を生き抜くための術です。

 

フィンランドでの撮影を通して、

そしてエッセイを通して、

私のようなお豆腐メンタル未熟人間に伝えてくれるのは

心にジーンとくるものがあります。

 

たとえ周りに厳しい人がいても

一歩引いて見ることで

自分の感情に左右されないかもしれない。

 

いいこと言うなあ、と

読んでてふふっとなっていた

生意気な人間でした。私のことです。

まとめ

いかがだったでしょうか(棒)。

片桐はいりさんの「わたしのマトカ」を

勢いで感想を書いてみました。

ごめん、3行でまとめるのね。

  • 表現が秀逸
  • フィンランド行きたい
  • サルミアッキはゴムに塩と砂糖まぶした味

※思いついた限りの個人の感想です。

ぬあああああああ!!

フィンランド行きたい!!

 

それでは!

 

※引用はすべて、片桐はいり(H22)わたしのマトカ 幻冬舎文庫 より



今度行ったら食す