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【本レビュー】ビジネスの未来【完全に感想文】

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かれこれ1か月以上前にペアドクイベントに参加して読んだ『ビジネスの未来』(山口周著)。

『ビジネスの未来』ペアドクイベントに参加してきました!【情報量ヤバイ】2/15に開かれた『ビジネスの未来』のペアドクイベントに参加してきました! 本はいつも一人で読んでいた私ですが、初めて誰か...

上手くまとめようとしてからレビューしようかと思いましたが、

 

まとめるの無理でした!!

 

完全に私の力不足です。…うぅ情けない。

 

そのため、感想文という形でお届けしたいと思います。

 

いつかまとめる。いつか。(絶対とは言っていない)

概要

※注意※私(りりー)の解釈を大いに含んでおります。

日本の経済は衰退していると言われているが、それは本当なのか。

実は成長曲線が緩やかになっているだけで衰退とは言わず、

ある種の高み、すなわち高原状態に到達しているのではないか。

物質的豊かさを求める時代は終わり、これからは精神的な豊かさを求める時代になる。

インストルメンタルな生き方から、コンサマトリーな生き方にシフトしていく。

という論を展開する本です。

<私のイメージ>

インストルメンタル:イメージとしては「苦労」や「辛い」。仕事は苦しいもの。生活するためにやるもの。目的があっての手段(仕方ない感満載)。

コンサマトリー:イメージとしては「楽しい」。趣味でもなんでも好きなことに没頭している状態をイメージ。手段すら楽しい。

 

著者は山口周さん。

どこかの大学の教授とか経済学者だと思っていたらちょっと違うようです。

しかし引用文献やら参考文献は完全に経済学のソレ。そして膨大な量。

もはや学者だと私は考えています。

 

余談ですが、ペアドクイベントにて山口周さんは元の原稿量は1.5倍あったと語っています。

この本は厚さの割に情報量は尋常ではないので、山口さんの知識の大きさが伝わってきます。おそろしい。

読んで思ったこと

GDPの問題点

ニュースやSNSの中で「日本オワコン」みたいな文言を目にし、GDPもそれっぽい数値が出回る中で、私自身も日本はヤバイ(終焉的な意味で)と考えていました。

ただ、『ビジネスの未来』を読んだことで考え方はガラッと変わりました。

そもそも、GDPなどの指標で成長を計ろうとしているが、いったい何と比べているのか。

そもそもGDPは、100年程前のアメリカで、世界恐慌の影響を受けて日に日におかしなことになっていく社会・経済の状況を全体として把握するという目的のために開発されたものです。

(中略)

ところが昨今のGDPに関する議論は往々にして「指標が先、問題が後」になってしまっています。測れるモノを測って、そこで出てきた問題を叩くという流れで思考プロセスが進んでいるのです。

今まで私はGDPというものは経済が成長しているかどうかをみるものだと思っていましたが、その考え方に問題があったようです。

問題ではなく先に指標を見てしまっているのです。つまり、指標ありきになっていました。

私たちが何かを測ろうとするとき、そこには必ず「測る目的」が存在します。

 

私は経済学の専門家ではありませんが、山口さんの論には肌で感じられる説得力がありました。

日本はオワコンではない

経済の成長が緩やかになっている、しかしそれを「衰退」と呼べるのか。

山口さんは疑問を呈しています。

現在、私たちの社会はさまざまな場で「低成長」「停滞」「衰退」という言葉で表現されています。しかし私は、このような形容詞で現在の社会を表現することに、長い間、違和感を覚えていました。

そして、このような考えを述べています。

なぜなら、さまざまな経済・社会指標は、私たちがここ100年で素晴らしい進歩と改善を成し遂げたことを示しているからです。

よく言われる「低成長」は、そのような達成の末に私たちが「成熟の明るい高原」に向かっている結果、必然的にもたらされた状況であり、なんら悲しむべきことではないというのが筆者の考えです。

成熟の明るい高原」という表現を用いていますが、その言葉どおりイメージをすれば良いと思います。

登山をしたことがある方は分かるかと思いますが、険しい道のりを登り、頂上に近づいてきたときに開けてきた高原を想像するとイメージがつきやすいかなと私は考えています。

そこにあるのは「解放(開放)感」「心地よい」というイメージ。

高原はなだらかです。これまでの辛い険しい道とは打って変わります。

道がなだらかになるから、高原は悪いのか。決してそうではないでしょう。

ちなみに、山口さんは成長についても触れています。

成長の種類は「低成長」と「高成長」の二択で、どちらがよいかを選ぶとしたら明らかに後者だけど、それは誘導尋問だと批判しています。

低いか高いか、っていうそれだけなのに、なぜかそこに良し悪しを追加して見てしまいますね。たしかにな~と納得していました。

また、「低成長」については別の言葉で「高原の軟着陸」と表現しています。

いきなり下降してズダーン!と時代が転換するわけではなく、成長がなだらかになることで穏やかに変わっていく。(コロナで急なリセット感は否めないけど、前々から経済成長は緩やかになっていた)

「低成長」と表現されているけど、決してネガティブにとらえる必要はないということです。

したがって、オワコンと言い切るには早いようです。

(ただし、日本は他の先進国と比べるとハードランディングになりそうなところはあります。これについては後に触れます。)

苦しく生き抜く時代から手段すら楽しいことをする時代を迎える

これからの社会は「成長が完了した高原社会」と山口さんは表現しています。

「インストルメンタルな時代」から「コンサマトリーな時代」に転換していくことを伝えています。

<私のイメージ(再掲)>

インストルメンタル:イメージとしては「苦労」や「辛い」。仕事は苦しいもの。生活するためにやるもの。目的があっての手段(仕方ない感満載)。

コンサマトリー:イメージとしては「楽しい」。趣味でもなんでも好きなことに没頭している状態をイメージ。手段すら楽しい。

これだけだと「?」なのですが、

目的のために苦しいことをするのではなく、好きなことを仕事にしていく時代になる、ということをイメージすると感覚がつかみやすいのかと思います。

YouTuberを筆頭に、好きなことを仕事にしていこうという流れは、コロナ以前から徐々に広がっていたのを肌で感じていた方も少なくないかと思います。

現に、私がその一人でした。

あちこちで、好きなことを仕事に!と謳う人は自身の経験から語っていますが、この本は学術的な視点からそのような生き方を提案しています。

「未来のためにいまを犠牲にする」という手段主義的=インストルメンタルな思考・行動様式から、「永遠に循環する”いま”を豊かにみずみずしく生ききる」という自己充足的=コンサマトリーな思考・行動様式への転換が必要

…とても難しく書いてありますが、大雑把な私の解釈では「今を楽しく生きる」です。

手段すら、楽しく

私としてはワクワクする時代に転換していくのだと思っています。

ただ、ハードランディングになるかもしれないと述べているように、「好き」を制限されてしまうとコンサマトリーな高原社会の実現は難しくなります。

経済格差が広がり、裕福な人を妬み引きずり下ろすことを是とする社会になればそれは完全に急降下ハードランディング)と言えるのではないでしょうか。

私はワクワクする方が良いので、コンサマトリーを実現させていきたいと考えています(きちんと本ではコンサマトリーを実現させていくための提言もあります)。

「とにかく、なんでもやってみる」というパワーワード

好きなことをやっていこう!という高原社会を提言したものの、「何をやっていいのかわからない」という疑問もあるだろうから、それについて一つ答えがあるよ!(要約)という山口さんの名言。

とにかく、なんでもやってみる

漢字・カタカナを一切使わない文が、

この本の中に存在する驚きなのかよくわかりませんが、

凄まじく異彩を放つこのゴリ押しパワー系ワードが一番記憶に残りました。

正直に言ってこれが『ビジネスの未来』で一番伝えたかったワードなのではないかと個人的には考えています(笑)。

 

科学的・学術的に裏付けようとする説明文もありますが、

読者(パワー系)としては、

だよねー!!!!!!(歓喜)

と思うのでそのあとの説明なんて頭に入れなくても肌で分かります。肌で。

むしろ、これまでスーパー学術的に述べてきた山口さん自身がそのように言ってくれるとすごく嬉しいです。

強い後ろ盾がついた感じです。

 

『ビジネスの未来』は難しいという声もちらほら聞こえますが、

とにかく、なんでもやってみる まで読めればOKだと勝手に解釈しています。

 

正直に言って感想はここのセクションだけでもいいと思ってるくらいです。

でもそれはGDPの問題や高原社会の軟着陸をなんとなく分かった上でいえるのかもしれません。

まとめ

『ビジネスの未来』を読んだ私は

  • GDPなどの経済指標や、経済は「衰退」「低成長」という言葉に懐疑的になった
  • これから日本が、世界が、時代がどうなっていくのかという視点を手に入れた
  • 自分が好きなことをやっていこうと強く思った
  • とにかく、なんでもやってみる が一番持っておきたい&実践したいパワーワードとして胸に刻まれた

となりました。

 

あと、時代という概念が追加されるので、視野が広がる本でもあります。

コロナが収束しそうな…そうでもないような…という雰囲気が2021年は充満していますが、それでも読むのは遅くないと思います。

(これは完全に私の憶測ですが、新型コロナウィルスによるパンデミックが時代転換を浮き彫りにしただけであって、コロナ関係なく時代は変わろうとしていたのかもしれないです。)

 

気になった方はぜひ書店で手に取ってみてください。

おススメの買い方は目次だけ見てさっさとレジに持っていくことです。

一度買ってしまえばあとは読むしかありません。

難しいけど、読む価値は往々にしてあります。

この本を書いてくれた山口周さんに感謝!

それではっ

※引用はすべて『ビジネスの未来』より抜粋しています。

 

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