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読んで行動が変わる本はすごいと思う。【雑談】

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昨年は精神的にきつくて読書もブログも続けられないレベルだったのですが、最近になって明らかに自分の気持ちがラクなことに気が付きました。

本を読み続けて感じたのは、「おお!すごい!」と読んでる時に感動する本よりも、後味悪くても読んでから自分の行動が変わる本の方がすごいってこと。マジで読書なめてたなって最近思う。やっぱり物事を一つ知ったところですべて知った気になってて恥ずかしい。今すぐ1年前の自分を埋め立てたい。

(さすがに埋め立てる必要はない)

どうしてだろう?と振り返ってみると読み終わった本が影響してそうだと考えました。だって考えさせられる本ばっかり読んでたし(*´∀`)ケラケラ

ということで紹介していきます。

意識の変化に貢献した怒涛の3冊

精神と物質 分子生物学はどこまで生命の謎を解けるか/立花隆 利根川進

ノーベル生理学医学賞を受賞した利根川進さんの功績を正しく伝えるべく、ジャーナリストの立花隆さんがべらぼうな量の前準備をした上で利根川進さんにインタビューしていく内容。ちなみにおじさん2人が盛り上がって生物学談義するお話なので読みやすいです。

当時(1987年)、利根川進さんが偉業を成し遂げたことは日本全国に伝わりましたが、それがどのくらいすごいのかを伝えていなかったのです。家族構成、人柄、好きな食べ物などなど。報道が研究と全く関係ない内容であることに危惧した立花さんの熱意でインタビューが実現したようでした。

 

なにがすごいって、、、

●立花隆さんによる生物の解説が膨大な上にわかりやすい(ちなみにこの方理系でも研究者でもないので努力量がハンパない)

●超偉大な功績を成し遂げたにも関わらず天狗にならない利根川進さん(研究を続けたけど自分は運が良かったと明言)

●免疫や分子生物学(RNAとか転写とか)が最先端だった当時、次の時代は脳科学だと予言している(感情も物質で説明できるのではないかと話している)←これにはマジでビビった

 

ノーベル賞とったおじさんと、インタビューするために勉強をめちゃくちゃやって対談を実現させたおじさんに敬服せざるを得ません。

それと、利根川進さんは日本を出てアメリカやスイスなどで研究をしていました。つまり最先端にいてトップの生物学者と張り合っていたわけです。ていうかハーシーとかニーレンバーグ、挙げ句の果てにワトソンとクリックのことを平然と話したりするあたりめっちゃかっこいいのです(高校生物を勉強した方なら名前をなんとなく聞いたことがあると思います)。

この本を読んでると最先端の環境にいることがいかに有益であるかがわかります。つまり、情報も最新なのです。そして大事なことはみんな秘密にしたがる。すぐにパッと広まらない。時間がかかる。世に出てくる情報なんて伝言ゲームの最後尾なんだと思わされました。

そして利根川進さんの力強い言葉。「自分にコンヴィンス(確信)すること」「失敗なんてしょっちゅう」。自分自身がこうだ!と自信をもって言えることは堂々と主張する。たとえ真反対の研究結果を発表されて世間がそっちに傾いても、自分が正しいと確信していることを伝えること。そして成功している人は影で何百倍もの失敗をしている。ていうか失敗なんて当たり前だからそんなことで落ち込む暇はない。ときには研究室のクビを切られそうになるし。誰もがずっと順風満帆な道を歩んでるわけではないのです。

読み終わった後は、ただただ打ちひしがれました。情報量が圧倒的。これぞ名著だと確信に変わりました。「精神と物質」を読んでから、失敗に対する考え方がポジティブな方向に軌道修正されていった感があります。

アルケミスト/パウロ・コエーリョ

アンダルシアを旅する羊飼いが、夢を見たことをきっかけにエジプトのピラミッドにある(かもしれない)宝を目指していく物語。自分の直感に従い続けることが大事だと分かっていても、それを実際に貫き通すのはいかに苦痛かがよくわかる。でも自分が悩み抜いて直感を選んだ結果が自分が本当に欲しかったものを宇宙が与えてくれているのだと教えてくれる本。

少年はピラミッドにたどり着く。でもこれは最後のセリフとシーンが感動。なんだこれハリウッド映画が作っているのかってくらい、少年の一言でエンドロールが勝手に再生される。なにこれスペイン系文学面白い。※パウロ・コエーリョさんはブラジルです。

この本は自分の声に耳を傾け続けることが大事だと教えてくれる。直感や自然は研ぎ澄ませていないと自分の味方にならない。そしていつかは忘れ去られてしまう。

少年は旅先のオアシスで一人の少女と出逢い、恋に落ちる。自分はこの街に求められているし、少女と結婚してピラミッドなんかに行かず少女と暮らし続けるのがよいのではないかと思うようになります。それは非常に合理的な考えであり、現実に考えたらピラミッドを忘れてしまうと思うくらい頷けるものでした。

しかし少年は旅で出会ったアルケミストに打ち明けますが、アルケミストからはピラミッドを目指すよう言われます。激しく悩んだ少年は少女に結婚したい旨を伝え、少女はピラミッドから帰ってきたら結婚して欲しいと伝え、少年は決意します。ちなみに少女は「オアシスを出た人間は二度と戻ってこない」ことを承知の上で言っています。なんてけなげな。。。

自分でやろうと決めたことを最後まで成し遂げることがいかに難しいか。途中で誘惑や挫折が本気出してかかってきます。目標を決めたのに実現が難しくて、しかも時間がかかるのはもはやデフォなんだと気づきました。私はいったいどうして途中で投げ出そうとしてたんだろう?まだ旅は始まったばかりじゃないか。

読み終わると壮大な映画を観た気分でした。信じること、やり抜くこと。達成するまでに困難が立ちはだかること。これは全世界共通なんだ、自分にもあって当たり前なんだと思いました。自分が心の隅っこに忍ばせてきた、ずっと気になっていることを実現しようとしていいんだと、勇気がわいたのを覚えてます。

アウシュヴィッツの図書係/アントニオ・G・イトゥルベ

これを読んでから自分の異変に気づいた。

\こちらの記事にも書いてあるのでぜひ/

ニューヒロイン、「アウシュヴィッツの図書係」。【★★★★★】アウシュヴィッツの図書係/アントニオ・G・イトウルベ 訳:小原京子 (function(b,c,f,g,a,d,e){b....

アウシュヴィッツ収容所で図書係を任命された少女ディタと、ユダヤ人のリーダー的存在のヒルシュを始めアウシュヴィッツの人間たちの物語が詰まっている。ヒルシュの秘密と苦悩、SSとユダヤ人の結ばれない恋、脱走劇、死、感染症、殺伐。戦争はここまで人間を真の意味でダメにするのかと思う。

それでも希望の火は消えない。どんな状況でもたくましく生きようとする彼女らの姿を見て、私がどうして下を向いて生きねばならないのか。

子供だって収容される。名ばかりの教室だけど、子供たちは先生たちが話す物語を真剣に聴く。そして歌だって歌う。この時間がいかに人間らしいものか。本だってアウシュヴィッツにはあってはならない。隠し持っているのだ。見つかったら殺される。ぼろぼろの本だけど、読んでいる間は別の世界へ連れて行ってくれる。本ってこんなに素晴らしく、人を救うものだったのか。

正直なところ、やっぱりアウシュヴィッツ以上の地獄はないんじゃないかと戦中の話を聞かされてきた日本人の私も思う。

ヴィクトール・フランクルの「夜と霧」も有名だけど、過酷な状況下で人間としての尊厳を自ら失わずに生きる姿には言葉にできないくらい魂を揺さぶられた。仕事が上手くいかないくらいで何を私は人生に絶望してきたのか。

アウシュヴィッツで「生きた本」として子供たちにお話を語る大人、ヒルシュがいなくなっても図書係として矜持を貫くディタ、アウシュヴィッツの惨状を伝えようと命がけの脱走をするルディ・ローゼンバーグ。彼らがそばにいるような感じがして、私も自分にできることをやっていこうと思った。それがまさか読んだ後も続くとは思わなかった。というか読書中以外は意識してなかった。本の力を感じた瞬間だった。

本を読み終わった後は、各人物について調べました。ナチスなど第二次世界大戦についてよく知らず、自分自身の無知を痛感しました。実話を元にしたフィクションですが、ほぼノンフィクションだと考えてます。ヒルシュという勇気を与えたリーダーの存在は大きかったと思います。悩んでも、ヒーローはヒーローなのだ。

各作品に共通すること

あきらめないこと。

続けること。

自分の信じた道を行くこと。

これが真理なのだと私としては実感しています。「精神と物質」に、「キルケゴールは真理は自分の内側にある」と2人のどちらかが語っていたので私もそう信じています。

言うのは簡単だけど、継続の困難さは「アルケミスト」「アウシュヴィッツの図書係」ともに無理な状況が必ずあることから分かります。自分だけ大変、と思うことがもはやナンセンスなんだとようやく気づいたような感じです。

そして自分の人生は自分で決められる、ということも暗に示していたような気もします。

特に、「アウシュヴィッツの図書係」でのディタは友だちと笑い転げるシーンを思い返すときがあります。状況が状況でも、尊厳を忘れずに生きる、すなわち自分らしさを持ちつ続けて生きることができるのだと教えてくれます(逆に、自分らしく死に向かっていくとも言える)。

最後に

今回は私を変えた本を紹介しました。激変した、というとさすがに胡散臭くなるので使いたくないですが、衝撃の度合いとしては強いです。

記事をここまで読んでくださった方には同じ経験をした方もいるでしょうし、逆にどうやったらそういった経験ができるの?と疑問に思った方もいると思います。

最後に一つだけ言えるのは、自分が読みたいと思った本を読んでいったから出会えたということです。

今まで読んできた本ももちろん自分の糧になっています。それは私だけじゃなく本を読んできた人全員に言えると考えています。これまでの積み重ねがあったからこうして本に出会えたというだけです。決して今までの本は無駄ではなかったと思っています。高くジャンプするときの助走くらい必要なものです。きっと、読むごとに助走自体の力がついていったのだと個人的には解釈しています。

「アルケミスト」流に考えると、「自分が望むことを宇宙が全力で応援してくれる」のでその時読みたい本を読むのは過程の一部に過ぎないということ。あとは利根川進さんの考えを借りるなら、本に出会えた自分は運が良かったということです。

文章ばかりになってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。これからも、皆様も私も良い本に出会えることを願っています。