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【2022年】年間100冊読んだ人間が選ぶ、今年読んでよかった本

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ブクログ(読書記録アプリ)から先日通知があり、それによると今年は105冊読んだそうです。

今年から記録をつけ始めましたが、100を超えたことに正直驚いています。

苦しいときに本に頼るにようになって早2年くらい経ちますが、未だに苦境です(苦笑)。

とはいえ、読書が習慣になり物語を楽しんでいるので、本を読んでいる間は幸せです。

そして今回は自分なりに読んでよかった本を選んでみました。

パッと思いつくものを載せていくので、読書が好きな方は今後の選書の対象に、あまり本を読まない方は「こんな本があるんだ」くらいに思ってください。そしてふと思い出したときに、手にとって読んでみてください。「なるほど」と思ってもらえたら幸いです。

それでは、ご紹介していきます。

とにかく圧倒された本

アウシュヴィッツの図書係/アントニオ・G・イトゥルベ

ユダヤ人収容所、アウシュヴィッツ。

その一画では、若きリーダーヒルシュが校長となり大人たちが先生となって子供たちに学校を開いていた。主人公エディタは14歳の少女。ヒルシュから図書係を任命され、数少ない図書を管理する役割を担っていた。

ニューヒロイン、「アウシュヴィッツの図書係」。【★★★★★】アウシュヴィッツの図書係/アントニオ・G・イトウルベ 訳:小原京子 (function(b,c,f,g,a,d,e){b....

殺伐とした世界に、本という存在がどれほど貴重か。ちなみに本がドイツ人に見つかろうものなら没収はもちろん命の保証もないです。だから自由に読みたい本を読めるって平和の象徴だとこのとき強く思ったわ…。

そして忘れられないエディタの言葉。

「物語は自分を別の世界に連れて行ってくれる」

極限の状況でも人間らしく生きようとする人々の姿を想像すると、「自分はいったい何をやっているんだ」と思ってしまった。

仕事のちっぽけなことで悩み、文句を言い、自分の行動は改善しない。私はいったい何をしているのか。もっと他人を助けるために自分の時間を使わなくていいのか。

頭をガンと打たれた気分でした。自分も誰かのためになりたいと心底思いました。こんな気持ち初めて。というか、この本読んでから自分かわいそうって思わなくなった。マジで思えない。

第二次世界大戦、特にユダヤ人の生活がまるまる書かれている本は「アンネの日記」が有名です。ちょびっとアンネたちも出てきたのが後半わかりました。

ちなみに内容は史実からお察しのようにズタボロですが、結末は決して悪くないです。


首切りの歴史/フランシス・ラーソン

いや、もう2022年ナンバーワンよ。こんな狂気の歴史が100年経たない間にあったのかと思うと私には出る言葉がない。

これは小説ではなく、斬首や首切りの歴史がつらつら紹介されている本です。

どうして手に取ったかって?(A:興味があったの!例外なく私も野次馬なの!!)

白人の皆様からジャップとかが野蛮人だとガチで思われていた時代、戦争でジャップの首をとって頭蓋骨を恋人にプレゼントするとかマジでヤバイ。というか生首博物館があるとか狂気だろ。

どうして人はこんなに頭蓋、生首に惹かれるのか?

これはぜひ訳者あとがきまで読んでいただきたい。生首を買ってコレクトする人間と実際に誰かの頭部を切断して生首を売る人間がいて、自分はどちらにも属さないとか思うけど、最終的に同列だとどうしても気づいてしまいます。

念のため書くけど文明批判であって人種を批判する本ではない。

というか人間等しく野蛮だ(殺伐)。


ボソッ(図書館で借りられます)

わたしを離さないで/カズオ・イシグロ

カズオ・イシグロは天才。

イギリスのある地方で暮らす、<介護者>と<提供者>の話。

良い<提供者>として教育を受けてきた主人公ら。学校時代のことに思いを馳せる。

 

描写が細かすぎて頭にイメージが浮かぶ。まるで筆者が本当に過ごしたみたいだけど・・・ってこれ書いてんのオッサンやん!?主人公30代女性で、完全に主人公の口調なのにオッサン感ゼロ。この時点でわかった。カズオ・イシグロ、ヤバイ。神。

ちなみに内容はまあまあ重ためです…。


眠っていた勇気や希望が目覚めた本

自分の中に毒を持て/岡本太郎

「芸術は爆発だ」でおなじみ岡本太郎の著書。

いじめられっ子が爆発する話。

「うまくやろうとしたら芸術じゃない」「下手でも自分のありったけをぶつけるんだ」というようなことが書かれていて心底自分はこれでいいんだって思えた。

そして「人間は芸術だ」とあったので「人間は爆発だ」と思った。(”A=BかつB=CならばA=Cである”という命題を思い出した。)

いや、冗談抜きにこれ読んで奮起しない人間はいないんじゃないか?

 


本日は、お日柄もよく/原田マハ

結婚式での牛丼屋の社長のスピーチがつまらなすぎて眠気のあまりスープに顔をダイブしたしがないOLがスピーチライターになる話。

伝え方の力ってすごい(小並感)。

というか、政治家のエネルギーが本当にスゴイ。

社会を良くしていこうって思えたら理想だけど、少なくとも社会や日本の現状に目を向けるくらいの、隠れた自分の良心というものが呼び覚まされた一冊だった。


ちなみにこの後『ルビンの壺が割れた/宿野かほる』を読んで見事に心が撃沈したのも良い思い出。

葉桜の季節に君を想うということ/歌野晶午

どんでん返し本として有名なミステリー。

それがどうして元気が出るかって?

 

_人人人人人人人人人人人人人人人人人人_
> どんでん返しそのものが元気だから <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

 

個人的に未来は明るいと感じた一冊。どんでん返し本で明るい気分になったの初めて。


精霊の守り人(守り人シリーズ)/上橋菜穂子

女用心棒バルサと理不尽な運命の仲間たちの壮絶なファンタジー。

バルサが物理的に強くてカッコよくてまさに理想の女性。

運命を受け入れる強さ。小説なのに自分も変わろうと思わせるのがスゴイ。

バルサが緋村剣心並に強いので安心して読めるけど、設定や内容はまあまあ重い(ワインもストーリーも重ためが好き)。


心があたたまった本(感動)

赤と青とエスキース/青山美智子

オーストラリアで描いてもらった1枚の絵と人間模様の物語。

物語の時間はどんどん進み、一つ一つ違う話なのに最後にそうつながるとは思わなかった。

昼休みの会社の休憩室で涙と鼻水垂らすとは思わなかった。

中身も良いけど、表紙絵が本当に好き。飾れるレベル。


この世界にiをこめて/佐野徹夜

iは虚数。

小説家を志した同級生が自殺。死んだはずなのにメールが届くようになって…という話。

いや、ホラーではない。ちゃんとした青春小説。

 

この話、数学的要素ゼロなのに虚数の美しさがなぜかわかった。

そして「小説」の存在の素晴らしさがわかった。表紙絵が青くて好きなので手に取ったのであって、中身の期待とか前情報とか何もなく読んだら思わずグッときてしまった。

「i」は存在する。


スタンフォードのストレスを力に変える教科書/ケリー・マクゴニガル

その名のとおり、ストレスとの付き合い方の本なはずなのに終盤泣いた。

押しつけがましいタイトルの割に、ナチュラルにこれまでの自分を肯定できる謎の感動本。

読み返そうと思って手放さないでいる本。


ミステリー部門

十角館の殺人/綾辻行人

ミステリーをたしなむなら一度は読んでおきたい鉄板中の鉄板、王道の王道本。

どんでん返し本としても有名。あの一行には度肝を抜かれたけど、よく考えたらぶっちゃけ館のからくりの方が「ナ、ナンダッテー」感が強い。ていうか気づかん。特にカップのかたt(物語の核心にせまるため自重)

【名作】『十角館の殺人/綾辻行人』の「あの一行」でトリハダ説は本当か 奇抜な建築家、中村青司が建てた「十角館」。大分の孤島にそれは佇み、大学のミステリー研究会の人間達が集まる。一方で、島にいかなかった元...

館シリーズを極めたくなる最初の一冊。


Another/綾辻行人

曰く付きの夜見山北中学校三年三組。関係者が次々と死んでいく。引きこもってても死ぬ。理不尽オブ理不尽。

ガチで最後まで黒幕がわからなかった。

話の進み方がサウンドノベルゲームやってるみたいで不気味な楽しさがある。ホラー要素もあるので怖い。「ひぐらし」やってるみたいだった。ヒィコワイ

上下巻あってボリューミィなので読後の満足感は最強クラス。

【名作】『Another/綾辻行人』が面白すぎてイッキ読みした・・・(ネタバレ少しあり)夜見山北中に転校した主人公、榊原恒一。肺気胸を患い、クラスに入るのが1ヶ月ずれる。遅いスタートを切り出し、クラスにいない人間である見崎鳴...

個人的には「十角館の殺人」より好きかも。


草花たちの静かな誓い/宮本輝

アメリカのお金持ちである叔母が旅行中の修善寺で亡くなった。莫大な遺産は甥である自分に相続されたが、叔母の「いなくなった娘が見つかったらその財産は娘に…」という一言が気になり、誘拐されたはずの娘の行方を探し出す。

 

母の強さ、大胆さを物語で感じる本。

舞台はカリフォルニア・パロスバーデス。

こ、こんな高級住宅街があったのか!!と世界が広がり、日本と違って幼い頃からマジで命が危ないんだと考えさせられた。(日本もないことはないけどさ)


なにより、パロスバーデスが忘れられない本。

パロスバーデスに住みたくなる本。(ストーリーはちょこっと重たいヨ)

2022年読書まとめ

歴史書やら有名ミステリーやら、様々なジャンルに手を出しました。

本当むさぼるように読んだし、多読批判もあるけど、たくさん読んだと実感している身なので100冊読めて良かったです!!

数を狙ってはいませんでしたが、月に10冊超えると嬉しかったです。自分もここまでできるんだって感じ。

 

それに、読んだ数だけ世界があるんだと思いました。

「アウシュヴィッツの図書係」「首切りの歴史」は本当に衝撃的だったし、「本日は、お日柄もよく」では見ようとしなかった政治の世界が見えた。「わたしを離さないで」のカズオ・イシグロの頭の中もスゴすぎると思った。

あとは何も考えずに取った「この世界にiをこめて」の高校生恋愛小説っぽい感じも好きだなと思った。基本的にストーリーは重めが好きなのでライトなものはあまり読まなかったけど、けっこうイケると思った。

昨年の自分と今の自分だと間違いなく視野の広さが違うと思う。引きこもりがようやく家の窓を開けて外を見ようとしたってところかな!

ただこの記事の反省点としては選んだら13という気持ち中途半端な数だったこと(トホホ)。

 

最後に、月並ではありますが本たちに出会えて良かったです。

そして世に出回らせてくれた作者さんたちに感謝!

 

来年もいっぱい読むぞ~!それでは!!

 

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